マンションの基礎工事の種類「杭基礎」と「直接基礎」はどう決まる?
マンションの基礎工事の種類にどんな種類があるのかを知っていますか。
「杭基礎」と「直接基礎」が主にありますが、どのような場合に行われる基礎なのか、基礎の種類の特徴を知っておくといいでしょう。
マンションの基礎の種類について考える際の大事なポイントもご紹介します。
マンションの基礎工事とは?地盤調査のボーリング調査とは?
まず、基礎工事とは何かから考えた場合、基礎工事は建物を建てる際に建物の荷重を地盤に伝達させて支えるための大事な工事です。
マンションの基礎工事では、マンションの荷重を支える必要がありますので、地盤がどんな地盤なのかをそれぞれの地盤ごとに必ず調査が行われます。
まず、ボーリング調査と言われる地盤の調査が行われますので、詳しく見ていきます。
ボーリング調査では、地盤の硬さを測るために、63.5kgのハンマーを75cm落下させて、杭が地中に30cm沈むまでに何回打ち込んだら沈むかを測定。これを「N値」で測り、値が大きいほど硬い地盤となります。
鉄筋コンクリート造りのマンションでは、N値50以上の地盤が5m以上ある場所を「支持層」とします。
その支持層が地表に近いほど地盤が強くなっていると言えます。
そして、マンションの場合はN値50の地盤まで測定しますが、一般的な木造二階建て住宅の場合には、N値10など求められる支持層が異なってくるのが特徴です。
建物の重さによってそれを支える支持層の値が変わってくると言えるでしょう。
支持層の深さによって基礎の種類「直接基礎」「杭基礎」が決まる
そして、ボーリング調査の結果、支持層が地表近くにあれば「直接基礎(ベタ基礎)」を作ることができ、支持層が深ければそこまでの杭を深く打つ「杭基礎」を作る必要があります。
直接場所ごとにボーリング調査をしてみなければ、支持層の深さはわかりませんので、きちんとした調査の結果、基礎の種類を決定することが大切です。
基礎の種類はできれば「直接基礎」難しい場合は短い杭の「杭基礎」がおすすめ
そして、マンションの基礎の種類は「杭基礎」が多いのですが、できれば「直接基礎(ベタ基礎)」のマンションを選ぶのが良いでしょう。
難しい場合は「杭基礎」でも、支持層ができるだけ近くにある杭が短いマンションを選ぶのがおすすめの方法です。
長い杭を打ち込むには費用も多くかかります。
「杭基礎」の場合の杭がどこまで深く入っているのかを知りたい場合には、マンションの販売時などに「設計図書」を見せてもらうといいでしょう。
わからない場合は、直接販売担当に聞いてみるのもおすすめの方法です。
最初でないとなかなか聞くこともありませんので、基礎工事の杭の深さについて聞いておくといいでしょう。
マンションの基礎の種類で大事なポイントとは?
マンションの基礎工事として大事なことは、マンションの荷重をしっかり地盤に伝えることができているかどうかです。
基礎の種類が「直接基礎」や「杭基礎」などと言う違いに関わらず、支持層まできちんと達しているかどうかが重要なことです。
「分厚いコンクリートの基礎になっているから大丈夫」といった基礎の厚さなどだけで決まるものではないでしょう。
また、「鋼製の杭を地中深くまで打ち込んでいるから強い基礎となっている」とも限らないことを知っておく必要があります。
マンションの「杭基礎」の種類についても知っておきたい
マンションに多い杭基礎には種類があります。
基礎工事の方法が個々に異なりますので、参考にしてください。
杭基礎では、杭で支えるために、強度を増すために、様々な手法や工夫された基礎工事が行われるようになっています。
そうした手法や工夫についてご紹介しますので、参考にしてください。
杭基礎を打つ方法として、どこでどのような杭を作って打つのかによって次の3つの方法があります。
場所打ちコンクリート杭
場所打ちコンクリート杭は、その場で大型の機械で敷地に掘った長い穴にコンクリートを流し込む方法です。
鉄筋は地上で組み立てたものを落とし込んで鉄筋コンクリートの杭を作り上げます。
先端を太くしたり、中間部を太くしたりすることによって、最近の超超高層ビルをも支えられるようになってきています。
既成コンクリート杭
既成コンクリート杭は、工場であらかじめ作ったコンクリート杭を設置する方法です。
長い杭でもいくつかに分けられた杭を現場で繋いで作ります。
杭の先端部分に砂や砂利を混ぜないコンクリートのセメントミルクを流し込んで、強度を増す方法などが取られます。
鋼管杭
杭基礎の中でも、杭自体に工夫がされているのが鋼管杭です。
鋼管杭の先端には羽が付いているのが特徴です。
鋼管杭の基礎工事では、この羽の付いた鋼管を重機で回転させて支持層にねじ込んでいきます。
ねじ込みながら、支持層の硬さを確認しつつ基礎工事を行っていくので安心でしょう。
ただ、マンションなどあまり大きな建物の場合には使われない杭基礎の種類となっています。
マンションの基礎工事の種類は「直接基礎」「杭基礎」が地盤によって選ばれる!
マンションの基礎工事の種類について「直接基礎(ベタ基礎)」「杭基礎」をご紹介しました。
地盤が硬ければ「直接基礎」が作られ、硬い地盤まで遠ければ「杭基礎」が作られます。
マンションの場合は、大きな荷重を支えなければなりませんので、かなり硬い地盤が近くになければならないでしょう。
その点からして、「杭基礎」のケースが多くなります。
ただ、「杭基礎」であっても、支持層まできちんと杭が打ち込まれていれば丈夫な基礎工事ができます。
きちんとしたボーリング調査、地盤調査が行われ、支持層まできちんと達した基礎工事が行われているのかが重要です。
基礎の種類も大切ですが、支持層の重要性をしっかりと考えておくことが大切と言えます。
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