基礎工事に必要な水抜き穴は建物が完成したあとにどうなるか
建物の基礎に設置された水抜き穴を見たことがある人もいるでしょう。水抜き穴は、基礎工事を行うときに基礎の内側に水が溜まらないために設けられています。
基礎工事をしている間は、水抜き穴の働きは大きいですが、住宅が完成してからも穴をそのままにしておいて良いのか疑問に思うかもしれません。
この記事では、水抜き穴はそのままにしておくべきか、建物が完成したあとに基礎の内側で何が起きるのかについて紹介します。
基礎工事は建物にとって重要
建物の基礎というのは、根本を支える土台になります。主に、建物の重量を地面に逃がす働きをします。この土台を作る作業を基礎工事といいます。
海外の建物と比較すると、日本の住宅の寿命は短いといわれています。ある資料では、イギリスの住宅は100年、ドイツは80年、アメリカなら50年と長く使用できることに対し、日本は僅か30年程度が住宅の平均寿命になるとのことです。
理由には、住宅を立て直すことで国が景気を促進したという背景があります。住宅は築20年を過ぎたらリフォームや建て直しを考えることが一般的とされてきました。
こうした影響で、建物の基礎に使用するコンクリートは、使用年数が約30年程度で設計された水とセメントの割合で作られていました。
質の高いものを長期間使用し、定期的に補修しながら使用する海外の考え方とは異なります。しかし近年人気があるのが、長期間使用できる住宅で、長く安心して生活できる家づくりです。
建物の耐久性において基礎は非常に大切な役目があります。
仮に丈夫な建物を作っても、高温多湿で頻繁に地震が起きる日本では、基礎も丈夫でないと、建物を長く使えないので基礎は建物にとって重要な部分です。
基礎工事を行うときには水抜き穴が必要
床全体にコンクリートを流し込むベタ基礎は、地面からの湿気やシロアリの侵入に対応できるという利点がありますが、基礎の内側に溜まった水がそのままになるという問題も生じます。
基礎工事をしている最中でも、基礎の内側に水が溜まったまま床板を設置すると、水が排出されないという問題が生じます。
基礎の内側の水をそのままにして作業を続けると、建物が出来上がってから床下の湿度が上がり、劣化が早まったり、カビが繁殖したりする危険があります。
揚水機を使って基礎の内側に溜まった水を取り除くこともできますが、時間や手間を考えると良い方法とはいえないでしょう。
そのため、水抜き穴を設置して基礎工事の最中に水が溜まっても、水が排出されるようにすることがおすすめです。なお基礎工事が終了したときに、水抜き穴を塞ぐかどうかにはいくつもの考え方があります。
基礎工事をしたときの水抜き穴はそのままにするのか
水抜き穴は基礎工事をするときには重要ですが、基礎工事が終わってからは不要になります。そのため建物を建て終わってからは、水抜き穴を塞いでも問題はありません。
しかし、水抜き穴を残すことにはメリットとデメリットがあり、基礎工事が終わったあとに穴を塞ぐかどうかは、建築業者によって判断が異なります。
たとえば、水抜き穴を残せば、漏水が生じたり大雨が降ったりしても床下に水が溜まることがなく、水抜き穴から排水されます。
一方で、水抜き穴を塞がないと、シロアリのような虫が床下に入り込む可能性があります。また水害が生じたときに、外からの水が床下に入るかもしれません。
基礎の内側に水が溜まる理由
水抜き穴を塞がずにそのままにしておけば、基礎工事が完了してからも排水が行われるので良いように思われますが、基礎に水が溜まる原因はいくつもあるので、その場に応じて解決することが重要です。
排水管に穴が開いて漏水する
地震などで排水管が壊れて、床下まで水が流れこむ事故も起こります。大量の水が溜まると、建物が傷み、カビやシロアリが生じる可能性が高まるので要注意です。
こうしたケースでは、たとえ排水できても、すぐに水が漏れ始めるので、壊れた排水管を修理することが先決です。
床下浸水で水が溜まる
大雨や洪水によって、近くの川や下水から水が流れ込むことがあります。床下浸水が生じると、床下に流れてくるのは、水だけではなく泥やゴミもあります。
基礎に水抜き穴があれば汚水はなくなりますが、時間がかかります。
床下に溜まった水の量が多いときには、早く排水作業を行い、泥やゴミを片付ける必要があるので、揚水機やバケツなどで水を汲み出したほうが良いでしょう。
床下の点検を定期的に行う
床下に潜り点検する人はあまりいないため、排水管から漏水していたり、排水溝が詰まって水が流れなかったりしても、気づくことが少ないです。
床下に溜まった水を放っておくと、湿度が高い場所が好きなシロアリやカビが多くなるかもしれません。また、床下の湿気は家の木材を腐らせる菌も繁殖させるので、家の耐久性や耐震性にも問題が生じます。
鉄筋コンクリートで建てた家でも、木材が使用されているなら問題は生じる可能性があるので、早めの対策が必要です。
水抜き穴の塞ぎ方について
基礎の水抜き穴は、自分で塞ぐよりも、専門業者に頼むことがおすすめです。漆食などを使用して自分で塞ぐことも可能ですが、専門的なスキルがないと塞ぎきれない場合もあります。
またシロアリはわずかな隙間でも侵入してくるので、床に潜って穴を塞いだ経験のない人は専門業者に頼んだほうが無難でしょう。
なお基礎工事をするときに、基礎の底に水抜き穴を設ければ、外から基礎の内側に水が入ることを防いで、内側に溜まった水を排出することもできます。
また水抜き穴には、シロアリの侵入を防ぐためのパーツを盛り込んだ製品も販売されています。
しかし、残念ながらこれだけでは不十分で、基礎の床と立ち上がりの部分はくっついていて水が浸入しないように見えますが、実際は完全にくっついているわけではなく、床と立ち上がりの部分にはわずかな継ぎ目が存在します。
そしてそこから水が侵入することもあります。そのため、建築業者によっては、継ぎ目に防水材を施したり、継ぎ目ができない工法を用いたりしているケースもあります。
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