基礎工事の工程と作業を行うときにチェックするポイント
建物を建てるときには、間取りや建設費用をいくらにするかといったことを考える人が多いでしょう。しかし、基礎工事といわれると、よく知らない人がほとんどかもしれません。
建物の基礎は目には見えないので、建設業者に任せきりにしてしまいがちですが、基礎工事は家の土台を作る大切な作業です。この記事では、基礎工事の工程について紹介します。
基礎工事について
基礎工事とは、地面と建物を繋ぐ場所をつくる工事です。建物の重量や地震の揺れなど、垂直に働く力や水平に働く力を建物から地盤に移すようにして、建物が沈むことを防ぐ効果があります。
基礎工事が建物を安定させるといっても良いでしょう。現代の建築では建物の基礎には、鉄筋コンクリートを使います。地盤の状況や建物の特色によって、基礎工事のタイプが異なります。
基礎工事の工程について
基礎工事には主に8つの工程があり、工程ごとに作業内容や注意点が異なります。
工程1は準備作業
基礎工事を行う前には準備が必要です。設計図に合わせて建物の場所や高さの基準を決めるための大切な工程です。
重要な箇所に目印を打ってポイントを決めます。目印は基礎工事が終了したあとは不要になるので、取り除きます。近年では測量機器の進歩に伴い準備作業を行わずに、動かないものに印をつけレベルや基準を出す方法が採用されています。
工程2は地盤を掘る作業
続いて基礎をつくるために、地盤を掘る作業を行います。この作業は植物の根を切りながら、地面を掘り進めるので、根切り工事ともいわれています。作業には重機を使用して掘り進めます。
工程3は砕石を敷く作業
砕石を敷く作業は、根切り作業をしたあとに行います。約7センチから15センチ程度の砕石を敷き詰めて、転圧機を使用して圧力をかけていきます。
砕石とは岩石や玉石を砕いたもので、砕石を入れることで重さを散らし、地耐力を向上させます。また、12センチから15センチの厚みを持つ砕石を割栗石と呼び、割栗地業という工法もあります。
割栗石を使用する作業では、割栗石の細長いほうを縦にして敷き詰めて、その間に粗めの砂利を入れて圧力をかけます。
工程4は捨てコンクリートを流す作業
続いての作業は、砕石が敷かれたあとに3センチから5センチの厚みで、捨てコンクリートを地面に流す作業を行います。
状況によっては捨てコンクリートを入れえずに基礎を作る場合もありますが、作業中のメリットが多いので捨てコンクリートを使用することが多いです。たとえば、基礎に接する地面が平らになると、作業効率が上がるというメリットがあります。
また、基礎と地盤面の接続が良くなるというメリットもあります。
工程5は鉄筋組み
コンクリートを流す前に、図面に沿った位置に鉄筋を組んでおかなければなりません。この作業を行うときには、鉄筋同士の間隔や、のみこみ長さ、継ぎ手の長さ、かぶり厚など規定が多いので、間違えて施工してしまわないように注意が必要です。
間違えると思い通りの強さが保てない場合もあるので気をつけましょう。鉄筋組みの作業は機械を使用せずに、手作業で1本1本の鉄筋を結んで組んでいくので、ミスが起こりやすい作業です。
施工したあとには確認を怠らないようにしましょう。
工程6は型枠を作る作業
コンクリートを流すときに、コンクリートが設計図に沿った位置で固まるまで、その形を保てるように仮設の枠を組みます。この枠を作る工事を型枠作業といいます。
型枠を作るときにはコンクリート用の型枠合板といわれる合板を使います。コンクリートが固まったら型枠を外す必要があるので、前もって離型剤という薬剤をスプレーしておかなければなりません。
またコンクリートの圧力で型枠がつぶれないように、締め付け用の金具を用いてしっかりと固定しましょう。
工程7はコンクリートを流す作業
コンクリートを流すときには入念な準備が重要です。作業当日の天気や気温、湿度を考えて一番良い日を選び、全員に作業工程を知らせ、区画の順番を決めましょう。
また、コンクリートは練り始めてから、作業が終わるまでの時間が90分から120分と決められているので、作業当日は時間との戦いになります。
コンクリートを流すときには、型枠の中にコンクリートを流し込み、固まった状態にするために、専用の機械を使って振動を与えます。この作業を怠ると強度が不足する可能性があるため注意しましょう。
工程8は仕上げ
コンクリートを流したあとは、十分な強さを維持するために一定の期間養生をします。養生する期間が過ぎたら、型枠を外す作業を行います。
締め付け金具を取り外して、合板を外してから、周りの掃除をして、基礎に問題がないことをチェックします。問題がなければバリを取り除き、きれいに仕上げれば基礎工事は終了します。
作業中にチェックすべきポイント
基礎工事のときにチェックすべきポイントを理解しておくと、工事が正しく施工されているかがわかるでしょう。
基礎工事の工法は、地盤の強さや地域に応じて決めます。
弱い地盤の場所では抗基礎を採用し、強めの地盤では直接基礎で作業を行います。地盤に合わせた工法を選択しないと、建物を支えきれずに地盤が沈むおそれがあるので注意しましょう。
作業に入る前にしっかりと地盤調査をして、適切な工法が採用されるようにチェックすることがおすすめです。
基礎工事の作業中には、建物の場所を明示する地縄張りが、図面の通りに行われているかも確認します。地縄張りは建物の位置や向きを決めるうえで大切な作業なので、ミスがないことをチェックすると安心できます。
また、鉄筋組みの作業は、基礎の耐久性に関わる重要な工程です。図面の通りに適切な数の基礎が配置されているかをよく確認しましょう。また、鉄筋にかぶせるコンクリートが少ないと、鉄筋が錆びやすくなるため注意しましょう。
基礎工事の終わりに近い工程で、コンクリートを流したあとには、型枠を数日経ってから取り外しましょう。養生は基礎の強さを保つために大切な工程です。
特に雨が降ったあとは基礎が弱まりやすいので、すぐに外さず、よく固まったあとに外すように注意しましょう。
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