基礎工事の現場管理ではどんな工程をチェックしている?重要なポイントをご紹介!
基礎工事は建物を建てる際にその建物の重さ、荷重を支えるために重要となる工事です。
基礎が完成するまでには様々な工程があり、手順を追って作業が行われます。
そして、それぞれの工程がしっかり行われているのかを現場で管理する施工管理の仕事も重要です。
どのようなチェックが実際に行っているのかを知ることで、大切なポイントを確認することができますのでご紹介します。
基礎工事の現場でまず遣り方(丁張)が図面通りかを確認
まず基礎を作る場合には、遣り方(丁張)という建物の基準となる仮設工作物を作っていきます。
基礎の高さの目印として、木杭を打って水平の板を取り付けていく作業です。
これが基礎の基準のラインになりますので、図面通りになっているのかをまず現場でチェックすることが大切です。
そして、遣り方(丁張)を確認したら、重機で掘削していき、砕石を詰めてランマ―の機械で固めます。
この作業は、地盤を固めるに大事な工程となります。
基礎工事現場での配筋が基礎の断面図と合っているのかをチェック
そして、捨てコンクリートを流して工事を進めやすくした後に基礎の配筋作業に移っていきます。
この基礎の配筋では、基礎の断面図ときちんと配筋が合っているのかの確認がとても重要です。
建物の基礎の寿命、強度に大きく影響しますので、建築基準法に則っているのかどうかを現場で必ず確認する必要があります。
配筋では、鉄筋径が守られているのか、鉄筋の本数がきちんとされているのかをチェックします。
鉄筋がコンクリートできちんとかぶっている「かぶり」の確認やあき、定着の長さ、納まりなど、様々なことを検査する必要があります。
鉄筋は、コンクリートがかぶっていないと錆びてしまう可能性があるため、特に注意が必要です。
また、現場で鉄筋を1本でも間違えていると、施工ミスにもなり、強度にも影響してきます。
後からでは修正が効きませんので、現場での配筋の検査は重要と言えます。
法律でもコンクリートを流す前に検査を行うことが義務づけられているものです。
コンクリート打設後の養生も大事
配筋検査を済ませたら、基礎ベース、立ち上がりと2回コンクリートを打設していきます。
その際、雨の日にコンクリートを打設しないようにしないと水が入り、乾かないうちは弱いコンクリートになってしまうでしょう。
そして、コンクリートが固まるまでしばらくの期間養生してから型枠を外します。
また、この養生も、実は現場では大切な作業です。
ただ、養生させておくだけでなく、固まってきたら急に乾燥しないようにブルーシートを被せ、水で湿らせることも時には必要です。
例えば、立ち上がりのコンクリートの型枠を外すのはコンクリート打設から平均気温15度以上の場合は3日間以上と計算しなければなりませんし、5度~15度未満の場合は5日間以上必要です。
これらのことをきちんと現場管理しておく必要があるでしょう。
そして、コンクリートが固まったら、周囲の土を埋め戻せたら完成です。
設計通りになっているか、基礎工事の現場管理がとても重要な理由
ここで、あらためて設計通りになっていることを現場でチェックする必要性についてご紹介しておきたいと思います。
基礎の徹底した現場管理は、建物の耐震性などを考えた場合にとても重要なことです。
その場でやらないと後からではチェックできないことです。
後で確認しておけば良かったと思ってもできないため、細心の注意が必要です。
できれば構造計算で耐震等級3の最高等級を目指したい!
基礎を作る際に構造計算や耐震等級も考えておくことが大事です。
構造計算では、壁の強さ(壁量、耐力壁配置、床強度)、部材の強さ(柱強度、梁強度、柱接合部強度、梁接合部強度)、地盤・基礎の強さ(基礎強度)が厳しく考えられています。
最初の図面の時点で、配筋を計算して表示しますが、できれば基礎の構造計算を元にすることが必要と言えるでしょう。
そして、地震が多い日本では耐震等級も基礎を考える上では大切なことです。
耐震等級3が最高ランクですが、耐震等級1の1.5倍の耐震性があるとされています。
構造計算や耐震性などがきちんと計算されていれば、基礎の設計、施工も安心と言えるでしょう。
基礎工事にあたる新「基礎施工士」の資格について
現場でそのような責任ある基礎を施工する人の資格についても最近では変更されています。
これまでは場所打ち杭については「基礎施工士」、既成コンクリート杭については「規制杭施工管理技士」と分かれていましたが、広範囲で高度な能力を持つ新「基礎施工士」の資格に統合。
こうした資格を持った人が現場で基礎を作ることで安心になるでしょう。
基礎工事では現場でしか確認できないことを管理することがとても重要!
基礎工事の現場管理とそこで行われているチェックについてご紹介しました。
基礎工事は、建物の強度に関してとても重要で、耐震性にも関わるものです。
そして、そんな重要な基礎工事のチェックは、基礎を作っている現場でしか確認できないことがたくさんあります。
その時にきちんと現場管理をしていないと後になってからでは修正が効かないことが多いでしょう。
特に配筋に関しては、建物の強度に直接大きな影響を与えます。
コンクリートを打設する前にしっかりとチェックをして、修正がある場合は現場でしておくことが重要なポイントです。
そのため、基礎工事の施工管理の仕事は、専門的な知識と責任が伴います。図面通りになっているのかを確認し、それぞれの工程がどのような意味を持っているのかを理解した上でチェックを行わなければなりません。
できれば構造計算などについても理解しておくことで、大事な基礎についてきちんとした現場管理ができるものとなります。
そして、施工主としても、これらの工程のチェックポイントをきちんと理解しておくことができればとても役立つものです。
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