基礎工事とは?種類・流れ・建築基礎設計士について解説
基礎工事は建築物を建てる際にとても重要な工事です。
地盤の上に正しく基礎を施工していないと設計図通りに建築しても
上に建つ建築物の一部だけが沈んで傾いてしまう不同沈下を起こしてしまったり、
建築物の品質に影響します。
そこで、基礎工事の種類や基礎工事に必要な資格などについてご紹介します。
基礎工事とは
基礎工事とは建築物の土台となる基礎を造る為の工事です。
基礎は土壌と建物を結ぶつなぎにあたり、建築物にとってとても大切な部分です。
基礎の役割は建物の重さによる垂直の力と地震などによる水平の力を地面に伝える役割があります。
地盤の硬さにより基礎の種類は変わってきます。
基礎工事は家が建ってからは工事の内容やクオリティを確認することは難しいため、
非常に重要な工事となります。
基礎工事の種類
基礎工事には主に3つの種類があります。
それぞれにメリット、デメリットがあり、その土地の地盤に合わせて行います。
杭基礎
地盤が軟弱な場合に用いる基礎です。
深さ数メートルの硬い地盤に杭を打ち込むため建物の安定性を保ち、
地震による液状化を防ぎます。
杭基礎には地盤に堀った穴に鉄筋を入れて杭を作る場所打ち杭工法と
既製品のコンクリート杭や鋼杭を埋め込む既成杭工法の2種類があります。
ベタ基礎
ベタ基礎は現代の多くの日本の住宅に使われている基礎です。
ベタ基礎は建物の床下全体にコンクリートを流し込んで作る基礎です。
建物の底全体を面で支える方法のため、建物の重さを分散し、
安定性が高く地震の揺れや不同沈下等に強いというメリットがあります。
また床下からの湿気やシロアリの侵入を防ぐことができるという点も大きなメリットです。
デメリットはコンクリートの使用量が多いためコストがかかること、
施工から約1年~約2年はコンクリートから水分が出るため対策が必要な点です。
布基礎
布基礎は古くから日本の木造住宅に使われてきた基礎です。
建物の負荷がかかる部分に逆T字型の鉄筋コンクリートを埋め込む方法で、点で建物を支えます。
コンクリートは柱部分や壁下に配置するため、
地震や風のような横からの力に耐久性を発揮します。
コンクリートの使用量がベタ基礎よりも少ないためコストが抑えられますが、
一方でベタ基礎よりも湿気がこもりやすいというデメリットがあります。
基礎工事の工程
地縄張り・根切り・砕石敷き
地耐力を確保するための「基礎工事の基礎」の工程です。
地盤調査が終了したら建築する場所の外周にロープなどで印をつける地縄張りを行います。
その後根切りという建物を建てる一番低い位置まで掘り返す作業をし、
砕石を敷き詰めて地面を固めます。
防湿シート~型枠組み
地面から上がってくる湿気を防ぐために防湿シートを敷き、
更に周囲に捨てコンと呼ばれるコンクリートを流して平らにします。
捨てコンは印をつけるために流すものですので、仕上がりが必ずしも綺麗でなくても問題ありません。
この上に鉄筋を組み、基礎の外周に型枠を組みます。
生コン打設
型枠の中に生コンクリートを打設し、
コンクリートが乾いたら基礎内部にも型枠を組み、コンクリートを打設します。
養生・仕上げ
コンクリートを打設したら強度が出るまで湿度を保つために養生をします。
養生をして数日するとコンクリートに強度が出ますので、
コンクリートに強度が出たら型枠を外します。
勝手口の土間を造ったり継ぎ目の不要な部分を削り取る
雑コンと呼ばれる仕上げ作業を行い基礎工事は完了します。
基礎工事には資格は必要?
基礎工事には必ず必要な資格はありません。
ただ、技能を示すためのいくつかの資格があり、そのうちの1つが建築基礎設計士です。
建築基礎設計士は現場作業員というよりも主に構造設計者の知識を深さを示すための資格です。
建築基礎設計士とは
日本国内では一級・二級建築士や構造設計一級建築士などの資格を持つ構造設計者が
基礎構造も含めて建築物を設計することになっています。
ただ、大学の建築系学科に地盤工学や基礎構造学を専門とするコースが少ないこともあり、
構造設計者には建物の設計は得意でも基礎構造の設計は苦手と考える方も少なくありません。
基礎構造の設計の基本知識である土質力学では鋼材やコンクリートなどに比べ
材料特性のバラツキが多い地盤を相手にすること、
有効応力など他の分野にはない概念が多いため敬遠されがちです。
そこで、基礎工事の設計力を客観的に評価するために建築基礎設計士試験、
建築基礎設計士士補試験が作られました。
構造設計者の土質力学・地盤工学の取得、
基礎専門建設会社などの技術者の技量の確保と向上などを目的として行われています。
建築基礎設計士試験の内容
建築基礎設計士試験の受験資格は
設計経験2年以上または建築基礎設計士補に登録されている方です。
試験の合格要件は「土質力学や基礎構造に関する知識を十分に持ち、
与えられた条件下での最適な基礎工法を提案する技術検討や、
施工可否・コスト比較等を独力で行うことができる。
また、建築基礎設計補に対して指導・助言ができる」としています。
試験内容は一次試験の学科試験と二次試験の面接試験です。
一次試験:学科
基本問題2時間…基礎設計に必要な詳細知識
実技問題2時間半…最適な基礎設計・コスト管理等
二次試験:面接(約20分間)
一次試験合格者のみ受験
顧客への提案・説明、トラブル対処法等
建築基礎設計士補試験の内容
受験資格は17歳以上であれば経験年数など関係なく誰でも受験できます。
試験の合格要件は「土質力学・基礎構造に関わる知識を持ち、
建築基礎設計士等の指導・助言を受けて、
基礎構造に関する正しい計算や簡単なコスト計算等を行うことができる」としています。
試験内容は学科のみとなります。
学科試験
基本問題2時間…基礎設計に必要な一般的な知識
実技問題2時間半…基礎構造の正しい計算等
住宅の重要な土台を作る基礎工事
基礎工事の種類や流れについてご紹介しました。
基礎工事には基本的には資格が無くてもできますが、
設計士がより基礎の知識を深くするための建築基礎設計士の資格があります。
必ずしも必要な資格ではありませんが、
住宅の重要な土台を作る基礎工事では深い知識が必要であると言えるでしょう。
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