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ー基礎工事とは?住宅の安全を左右する“見えない構造”をやさしく解説ー


基礎工事とは:定義と役割、なぜ重要か

基礎工事とは、建物に作用する重さや地震・風・人の動きなどの力を、地盤へと安全に受け渡すための一連の施工を指します。普段は床下に隠れて見えませんが、家の寿命、メンテナンス費、そして住み心地までを左右します。ここを正しく理解できれば、見積もりの比較や現場チェックで迷いにくくなり、後戻りのない家づくりが可能になります。次の小セクションで、基礎形式の違いと選び方の軸を分かりやすく解説します。

ベタ基礎の特徴と向いている敷地

ベタ基礎は建物直下に一体のコンクリートスラブを打設して「面」で支える方式です。荷重が広く分散されるため不同沈下に強く、床下の防湿・白蟻対策にも有利です。近年の木造住宅で採用が多く、間取り変更による荷重の偏りにも比較的寛容なのが魅力です。

布基礎・杭基礎・地盤改良の考え方

布基礎は壁や柱の直下に帯状のフーチングを連続させる方式で、材料を最適化しやすく、地盤が安定している敷地ではコストバランスに優れます。軟弱地盤では鋼管杭やコンクリート杭を用いて支持層に荷重を伝える杭基礎、あるいは浅層・柱状改良で地盤そのものを補強する方法を検討します。

基礎工事の流れ:調査から引き渡しまで

工程を事前に把握しておくと、撮るべき写真や確認すべき数値が明確になります。順番にはすべて理由があり、どれかを省略したり入れ替えたりすると品質低下ややり直しの原因になります。以下の小セクションで、各工程の目的とチェックの勘所を整理します。

地盤調査・設計の要点

住宅ではSWS試験を基本に、必要ならボーリング調査を併用します。結果に基づいて基礎形式、耐圧盤厚さ、立ち上がり寸法、鉄筋径とピッチ、かぶり厚を決定し、地盤改良の要否を判断します。設計段階から数量を拾い出し、変更時に自動更新できるしくみを用意すると、見積もり精度と工程の安定性が高まります。

根切り・地業・捨てコン・墨出し

計画GLまで掘削(根切り)し、砕石を敷いて所定の締固め度を確保します。転圧不足は沈下の主要因になるため、層厚と回数の管理が肝要です。薄いコンクリート(捨てコン)で不陸を整え、墨出しで外周、スリーブ、アンカーボルトの基準を明確にします。

配筋・型枠・インサート

図面どおりの鉄筋径とピッチ、定着長さ、継手の位置を守り、スペーサーブロックでかぶり厚を確保します。スリーブや給排水、アース、ホールダウンの位置はこの段階で最終確認します。型枠は剛性と通りを優先し、漏浆対策を徹底します。

コンクリート打設・養生・型枠解体

受入れ時に呼び強度、スランプ、空気量、温度を確認し、連続打設でバイブレータ締固めを行います。天端はレベラーで均し、初期養生・保温・保湿を計画的に実施。強度発現を待って所定期間後に型枠を解体します。

品質管理:図面・現場・記録を一致させる

品質は「計画の質」「作業の質」「記録の質」の三点で決まります。現物と書類、写真が一致して初めて品質が証明され、将来の売却や保険対応でも強みになります。具体的なチェックの観点を小セクションで整理します。

配筋検査のチェックリスト

・主筋・あばら筋の径とピッチが図面どおりか
・定着長さ、フック形状、継手位置が仕様に適合しているか
・かぶり厚(底部・側部・上部)の確保、スペーサーの種類と間隔
・開口周り、段差や増し打ち部の補強筋
・コンクリート打設に支障のない結束と清掃状況

コンクリート品質と記録

・受入検査(呼び強度・スランプ・空気量・温度)の記録
・テストピース採取と圧縮強度試験結果
・打設記録(開始・終了・数量・気温)と打継ぎ位置の管理
・仕上がり(天端レベル・不陸)と養生方法の記録
・是正が発生した場合の手順と再検査の合否記録

費用と工期:妥当性の見極め方

費用は基礎形式、鉄筋量、コンクリート数量、地盤改良の有無で大きく変動します。工期は天候や検査日程の影響を受けやすいため、前後工程と余裕を持たせた段取りが重要です。次の小セクションで、コストと工程を安定させる実務的な工夫を紹介します。

数量連動と標準化でコストを抑える

設計段階から鉄筋・型枠・コンクリート数量を表計算やBIMで連動させ、設計変更時に自動更新できる体制を整えます。開口補強や立ち上がり寸法を標準化し、現場間でディテールと写真様式を共通化すると、段取りが楽になり、無駄な待ち時間や手戻りを減らせます。

天候配慮と段取り替えのルール

高温や降雨時の打設は品質リスクが高まります。ポンプ車や生コンの搬入時間を調整し、養生資材(散水設備、シート、保温材)を事前に用意しておきます。雨天順延・時間帯変更などの段取り替えルールを契約時に共有しておくと、現場の混乱を最小化できます。

よくある不具合と予防策

不具合の多くは「小さな見落とし」から始まります。早期に兆候を発見し、原因を特定して再発防止まで落とし込むことが重要です。以下の小セクションで代表例と対策を解説します。

ヘアクラック・マップクラック

乾燥収縮や急速な乾燥、締固め不足で発生します。適切な水セメント比、連続打設、初期養生の徹底、直後の散水やシート養生で抑制可能です。構造性能に直ちに影響しない場合もありますが、原因の切り分けと記録が大切です。

ジャンカ・豆板・コールドジョイント

粗骨材の偏り、型枠の隙間、打設中断が主因です。投入高さの管理、バイブレータの適切な挿入、漏浆対策、打継ぎ計画の遵守で予防します。発生時は断面修復材で是正し、再発防止の手順書を共有します。

発注・見積もり・検査のコツ

単価だけの比較は落とし穴です。仕様を「同じ土俵」にそろえることで妥当な比較が可能になります。最後に、施主・監督が迷わないための実務的な視点を小セクションでまとめます。

同一仕様での見積比較

コンクリート呼び強度、鉄筋径とピッチ、かぶり厚、アンカーボルト種別、写真提出点数、試験体の採取有無、雨天時の段取り替え条件、是正の対応期限など、比較条件を書面で揃えます。工程表と検査立会い日も合わせて提示してもらいましょう。

最終チェックリスト

・配筋写真と図面、受入検査記録、強度試験成績書が揃っている
・アンカーボルト位置と高さが柱芯・天端レベルと整合している
・立ち上がり角部や打継ぎ部の仕上がりに欠けや巣がない
・防蟻・防湿・床下換気の計画どおりに施工されている
・是正箇所は再検査で合格し、比較写真が保管されている

まとめ:基礎工事とは、見えない部分の品質を写真と記録で「見える化」する仕事です。工程の目的を理解し、図面・現場・記録を一致させる。標準化と段取りでムダを削り、天候配慮と適切な養生で仕上がりを守る。その積み重ねが、安心で長持ちする住まいと、納得のコストにつながります。

福岡市の住宅基礎工事は有限会社 成蹊技研にお任せ下さい。


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